商標登録の区分「第18類」の概要と商品指定方法

商標登録の区分「第18類」の概要と商品指定方法

ここでは、商標登録の区分「第18類」の概要と商品指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第18類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第18類」は、革及びその模造品、旅行用品並びに馬具に関する区分です。

具体的には、以下の商品に関する区分です。

革及び擬革;
獣皮;
旅行かばん及びキャリーバッグ;
傘及び日傘;
つえ;
むち、引き革及び馬具類;
動物用首輪、引きひも及び被服.

この第18類には、特に、以下の商品を含むとされています。

旅行かばん及びキャリーバッグ、例えば、スーツケース、トランク、旅行かばん、袋型乳幼児用スリング、通学用かばん;
旅行かばん用タグ;
名刺入れ及び札入れ;
革製又はレザーボード製の箱及び容器.

この第18類には、特に、以下の商品を含まないとされています。

医療用のつえ(第10類);
人用の革製被服、履物及び帽子(第25類);
中に入れることを意図した商品専用バッグ及びケース、例えば、ラップトップ型コンピュータ専用バッグ(第9類)、写真用機器専用バッグ又はケース(第9類)、楽器用ケース(第15類)、ゴルフバッグ(車付又は車のないもの)、スキー及びサーフボード専用バッグ(第28類);
その機能又は用途によって分類される革・模造の革・獣皮から成る特定の商品、例えば、革砥(第8類)、つや出し用革(第21類)、清浄用セーム革(第21類)、被服用革製ベルト(第25類).

ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第18類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。

商標登録の区分「第18類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第18類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。

蹄鉄,レザークロス,皮革,皮革製包装用容器,ペット用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具

つまり、商標登録の区分として「第18類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第18類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第18類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第18類」は、革及びその模造品、旅行用品並びに馬具に関する区分
・「第18類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第18類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第18類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
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