商標登録の区分「第2類」の概要と商品指定方法

商標登録の区分「第2類」の概要と商品指定方法

ここでは、商標登録の区分「第2類」の概要と商品指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第2類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第2類」は、塗料、着色料及び腐食の防止用の調整品に関する区分です。

具体的には、以下の商品に関する区分です。

ペイント、ワニス、ラッカー;
防錆剤・防錆油・防錆グリース及び木材保存剤;
着色剤、染料;
印刷用、マーキング用、版用インキ;
天然樹脂(未加工のもの);
塗装用、装飾用、印刷用及び美術用の金属箔及び金属粉.

この第2類には、特に、以下の商品を含むとされています。

工業用、手工業用及び美術用のペイント、ワニス及びラッカー;
ペイント用のシンナー、増粘剤、定着剤及びドライヤー、ワニス及びラッカー;
木材用及び皮革用媒染剤;
防錆油及び木材防腐油;
被服用染料;
食品用及び飲料用色素.

この第2類には、特に、以下の商品を含まないとされています。

未加工人造樹脂(第1類)、半加工樹脂(第17類);
金属用媒染剤(第1類);
洗濯用青み付け剤及び洗濯用漂白剤(第3類);
化粧用染料(第3類);
絵の具箱(学用品)(第16類);
文房具としてのインキ(第16類);
絶縁用のペイント及びワニス(第17類).

ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第2類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。

商標登録の区分「第2類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第2類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。

カナダバルサム,コパール,サンダラック,セラック,ダンマール,媒染剤,腐蝕防止剤,防錆剤,マスチック,松脂,木材保存剤,染料,顔料,塗料,印刷インキ,絵の具,防錆グリース,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉

つまり、商標登録の区分として「第2類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第2類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第2類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第2類」は、塗料、着色料及び腐食の防止用の調整品に関する区分
・「第2類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第2類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第2類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
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