商標登録の区分「第5類」の概要と商品指定方法

商標登録の区分「第5類」の概要と商品指定方法

ここでは、商標登録の区分「第5類」の概要と商品指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第5類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第5類」は、薬剤に関する区分です。

具体的には、以下の商品に関する区分です。

医療用薬剤、医療用剤及び獣医科用剤;
医療用の衛生剤;
食餌療法用食品・飲料・薬剤(獣医科用のものを含む。)、乳児用食品;
サプリメント・動物用サプリメント(薬剤に属するものを除く。);
膏薬、包帯;
歯科用充てん材料、歯科用ワックス;
消毒剤;
有害動物駆除剤;
殺菌剤、除草剤.

この第5類には、特に、以下の商品を含むとされています。

身体衛生用剤(化粧品を除く。);
乳児用及び失禁用おむつ;
防臭剤(人用及び動物用のものを除く。);
医療用シャンプー、医療用せっけん、医療用ローション及び医療用歯磨き;
通常の食事を補うため又は健康に益するためのサプリメント;
医療用又は獣医科用の食事の代替品並びに食餌療法用食品及び飲料(獣医科用のものを含む。).

この第5類には、特に、以下の商品を含まないとされています。

医薬品製造用成分、例えば、ビタミン、保存剤及び酸化防止剤(第1類);
化粧品(医療用のものを除く。)、せっけん類(医療用のものを除く。)及び歯磨き(医療用のものを除く。)としての衛生剤(第3類);
人用又は動物用の防臭剤(第3類);
支持包帯、整形外科用包帯(第10類);
食事の代替品並びに食餌用食品及び飲料(医療用又は獣医科用のものを除く。)であって適当な食品又は飲料の類に分類されるもの、例えば、低脂肪のポテトチップス(第29類)、高タンパク質シリアルバー(第30類)、アイソトニック飲料(第32類).

ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第5類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。

商標登録の区分「第5類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第5類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。

薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液

つまり、商標登録の区分として「第5類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第5類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第5類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第5類」は、薬剤に関する区分
・「第5類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第5類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第5類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
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