商標登録の区分「第16類」の概要と商品指定方法

商標登録の区分「第16類」の概要と商品指定方法

ここでは、商標登録の区分「第16類」の概要と商品指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第16類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第16類」は、紙、紙製品及び事務用品に関する区分です。

具体的には、以下の商品に関する区分です。

紙及び厚紙;
印刷物;
製本用材料;
写真;
文房具及び事務用品(家具を除く。);
文房具としての又は家庭用の接着剤;
製図・デッサン用具及び美術用材料;
絵筆及び塗装用ブラシ;
教材;
包装用プラスチック製のシート、フィルム及び袋;
活字、印刷用ブロック.

この第16類には、特に、以下の商品を含むとされています。

ペーパーナイフ及びペーパーカッター;
紙の保管又は固定用のケース、カバー及び装置、例えば、文書ファイル、紙幣用クリップ、小切手帳ホルダー、クリップ、パスポートホルダー、スクラップブック;
特定の事務用機器、例えば、タイプライター、謄写機、郵便料金計器、鉛筆削り;
美術並びに屋内及び屋外の塗装に使用される絵画用品、例えば、美術用水彩絵の具皿、絵画用イーゼル及びパレット、塗装用ローラー及びトレイ;
特定の使い捨ての紙製品、例えば、紙製よだれ掛け又は胸当て、紙製ハンカチ及び紙製テーブルリネン;
機能又は用途によって他に分類されない紙製又は厚紙製から成る特定の商品、例えば、紙袋、包装用封筒及び容器、紙粘土製小立像、石版画、絵画及び水彩画(額に入っているもの又は入っていないもの)のような紙製又は厚紙製の像、小立像及び美術品.

この第16類には、特に、以下の商品を含まないとされています。

ペイント(第2類);
美術用手持工具、例えば、へら、彫刻用のみ(第8類);
教育用機器、例えば、教育用映像周波機械器具、教育用音声周波機械器具、その他の教育用視聴覚機械器具、蘇生訓練用マネキン人形(第9類)、おもちゃの模型(第28類);
その機能又は用途によって分類される紙又は厚紙から成る特定の商品、例えば、写真印画紙(第1類)、研磨紙(第3類)、屋内用紙製ブラインド(第20類)、紙製食卓用カップ及び紙皿(第21類)、紙製ベッドリネン(第24類)、紙製被服(第25類)、紙巻きたばこ用紙(第34類).

ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第16類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。

商標登録の区分「第16類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第16類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。

事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙貼り付け機,事務用電動式ステープラ,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,装飾塗工用ブラシ,紙製包装用容器,プラスチック製包装用袋,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,いろがみ,写し絵,折り紙,切り抜き,千代紙,ぬり絵,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真

つまり、商標登録の区分として「第16類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第16類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第16類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第16類」は、紙、紙製品及び事務用品に関する区分
・「第16類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第16類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第16類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
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