飲食業の商標登録(区分の選び方)

飲食業の商標登録(区分の選び方)

商標権を取得するには、特許庁に対して、商標登録出願を行ない、審査を経て、商標登録されることが必要になります。

商標登録によって商標権を取得するには、その「商標」をどのような「商品又はサービス」に使用するのかを指定する必要があります。

例えば、「リバティ」という文字の商標を、特許庁に出願して、登録ができたからといって、あらゆる商品やサービスについて「リバティ」という商標を独占的に使用する権利(商標権)が得られるわけではありません。あくまでも、指定した「商品又はサービス」に限って、商標権を取得できるにすぎません。

特許庁では、「商品又はサービス」を45個の「区分」に分類しているため、その中から自分の商標を使用する「商品又はサービス」がどの「区分」に含まれるかを特定し、その特定した「区分」とともに「商品又はサービス」を指定して、商標登録をすることになります。

ここでは、飲食業では、どの「区分」を選ぶことが多いのかについて説明します。

飲食業(レストラン・カフェ・弁当屋さん)では、飲食物の提供などが含まれる「第43類」が基本の区分となります。

また、持ち帰りやテイクアウトの商品を扱っている場合は、お弁当、パン、コーヒーなどが含まれる「第30類」も必要になります。

また、それ以外にも、飲食店のオリジナル商品を販売する場合などには、その商品が含まれる「区分」も必要になる場合があります。

例えば、カレーのもとなどを扱う場合は「第29類」果物などを扱う場合は「第31類」清涼飲料やビールなどを扱う場合は「第32類」清酒などを扱う場合は「第33類」飲食料品の小売等のサービスを提供する場合は「第35類」などの「区分」が必要になる場合もあります。

このように、飲食業(レストラン・カフェ・弁当屋さん)といっても、そこで提供するサービスや商品のすべてが同じ「区分」に含まれるわけではなく、サービスや商品によって「区分」が異なるため、それぞれの商品やサービスについて「区分」を特定し、その「区分」に含まれる商品やサービスを指定することになります。

それでは、飲食業の商標登録の事例を見てみましょう。

「ドトールコーヒー」、「すかいらーく」、「一風堂」では、共通して、「第43類」、「第30類」で商標登録を取得しています。

その他に事業内容に応じて、「第29類」、「第31類」、「第32類」、「第35類」のいずれかの「区分」を含めて商標登録を取得しています。

なお、飲食業であっても、これらの「区分」とは別の「区分」で商標登録を取得している場合もあり、取り扱う商品、サービス、事業内容等によって、上記「区分」以外の「区分」で商標登録を取得することが必要な場合もあります。

・飲食業では、飲食物の提供などが含まれる「第43類」が基本
・持ち帰りやテイクアウトがある場合は、「第30類」も必要
・そのほかにも取り扱う商品がある場合には、それらの商品が含まれる「区分」として「第29類」、「第31類」、「第32類」、「第33類」、「第35類」なども必要

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
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