商標登録の区分「第7類」の概要と商品指定方法

商標登録の区分「第7類」の概要と商品指定方法

ここでは、商標登録の区分「第7類」の概要と商品指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第7類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第7類」は、加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械に関する区分です。

具体的には、以下の商品に関する区分です。

機械、工作機械及び動力付き手持工具;
原動機(陸上の乗物用のものを除く。);
機械用の継手及び伝導装置の構成部品(陸上の乗物用のものを除く。);
農業用器具(手動式の手持工具を除く。);
ふ卵器;
自動販売機.

この第7類には、特に、以下の商品を含むとされています。

すべての種類の原動機の部品、例えば、すべての種類の原動機用のスターター、消音器及びシリンダー;
電気式清浄装置及び電気式研磨装置、例えば、電気式靴磨き機、電気式じゅうたん洗浄機及び電気掃除機;
3Dプリンター;
工業用ロボット;
輸送用でない特殊な乗物、例えば、道路清掃用機械、道路建設用機械、ブルドーザー、除雪機及びこれらの乗物用ゴムクローラ.

この第7類には、特に、以下の商品を含まないとされています。

手持の工具及び器具(手動式のもの)(第8類);
人工知能搭載のヒューマノイドロボット、実験用ロボット、教育支援用ロボット(産業用・医療用・遊戯用のものを除く。)、防犯用監視ロボット(第9類)、外科手術用ロボット(第10類)、自律走行式自動車(第12類)、自動演奏式ドラム(第15類)、おもちゃのロボット(第28類);
陸上の乗物用の原動機(第12類);
乗物用無限軌道、及びすべての乗物用タイヤ(第12類);
特殊な機械、例えば、現金自動預払機(第9類)、人工呼吸装置(第10類)、冷却用機器(第11類).

ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第7類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。

商標登録の区分「第7類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第7類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。

金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),動力機械器具の部品,風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,自動販売機,ガソリンステーション用装置,電気洗濯機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用切さい機,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,消毒・殺虫又は防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,電動式扉自動開閉装置,業務用廃棄物圧縮装置,業務用廃棄物破砕装置,3Dプリンター,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,電気ミキサー,電機ブラシ,ミシン針

つまり、商標登録の区分として「第7類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第7類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第7類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第7類」は、加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械に関する区分
・「第7類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第7類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第7類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
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