商標活用事例4(一貫してネーミングを変えない戦略)

一貫してネーミングを変えない戦略

この商標活用事例は、特許庁発行「事例から学ぶ商標活用ガイド」に掲載されている事例を紹介するもので、それを編集・加工等しております。
詳しくは、「事例から学ぶ商標活用ガイド」(特許庁)の中の「商標制度活用事例04」をご参照ください。

一貫してネーミングを変えない戦略で、ブランド力を向上させ、ライセンス契約へ

東海漬物株式会社のロングセラー商品である、きゅうりの漬物「きゅうりのキューちゃん」は、発売以後、品質やパッケージは何度もリニューアルをしているが、50年以上、一貫してネーミングを変えないという戦略で、信頼を蓄積し、いまでも抜群の知名度を誇っており、歴史の蓄積でブランド力は益々強いものになっている

「きゅうりのキューちゃん」は、そのブランド力の高さから、他社からのコラボレーション商品の依頼も多く、他社への商標の使用許諾によってコラボレーション商品が実現。

これにより、カテゴリーを超えたブランド展開も可能になり、マスコミの取材等も増え、「きゅうりのキューちゃん」になじみのない方々の目にも触れるきっかけとなり、さらにブランド力を向上させることになっている。

・ネーミングだけは変えずに、信頼を蓄積し、ブランド力を高めていく戦略
・ブランド力を高めると、コラボレーション商品などでライセンス契約につながり、相乗効果も

感覚を上手く伝えるネーミングを模索

食品業界では、実際に商品を食べる前にその中身を頭に思い描けるように、各社がネーミングを工夫。また、食感や味覚といった感覚的なものを上手く表現したネーミングがヒットすると、業界全体で似たような表現を使う傾向になることが多い。

ネーミングを考案する際は、ネーミングでこの商品の中身をどう伝えるか、ということを意識。ネーミングは消費者を惹きつけるために非常に重要。

主力商品の名称を検討する際には、商品の発売前にネーミングに対する消費者の好感度の調査を必ず実施

開発部門にも商標の知識を浸透

ネーミングの力を十分に理解しているから、商標に関する知識を社内に浸透させている。特に、商品名を開発部門の従業員が考案することが多いため、商標を管理する知的財産部門を開発部門と同じ研究所に配置することにより、両部門が密接な関係性を築けるようにしている。

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
詳しい経歴などはこちら

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