商標登録の区分「第43類」の概要とサービス指定方法

商標登録の区分「第43類」の概要とサービス指定方法

ここでは、商標登録の区分「第43類」の概要とサービス指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第43類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第43類」は、飲食物の提供及び宿泊施設の提供に関する区分です。

具体的には、以下のサービスに関する区分です。

飲食物の提供;
一時宿泊施設の提供.

この第43類には、特に、以下のサービスを含むとされています。

宿泊の予約の取次ぎ、例えば、ホテルの予約の取次ぎ;
動物の宿泊施設の提供;
会議室、テント及び可搬式建築物の貸与;
高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。);
保育所における乳幼児の保育;
食品の装飾、食品の彫刻;
調理用機械器具の貸与;
椅子・テーブル・テーブル用リネン・ガラス食器の貸与;
水たばこの喫煙施設の提供;
個々の需要に応じた料理人による飲食物の提供.

この第43類には、特に、以下のサービスを含まないとされています。

ホテルの事業の管理(第35類);
住居用の不動産、例えば、家又はアパートの貸与サービス(第36類);
室内清掃(第37類);
旅行及び輸送の予約(第39類);
他人のためのビールの醸造及びぶどう酒の醸造、受託によるパンの製造(第40類);
食品のくん製、食品及び飲料の保存加工(第40類);
例えば、全寮制学校、保育所、スポーツキャンプ、ディスコ及びナイトクラブにより提供される、宿泊又は飲食物の提供が付随しうるものを含む、知識又は技芸の教授及び娯楽の提供(第41類);
美術館の提供(第41類);
予後保養所及び保養所・療養所における治療・介護・栄養の指導(第44類);
ベビーシッティング、ペットの世話(第45類).

商標登録の区分「第43類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第43類」に属する代表的なサービス(包括概念表示したもの)として、以下のサービスが挙げられています。

宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,家庭用電気式ホットプレートの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与

つまり、商標登録の区分として「第43類」を指定する場合、これらのサービスを指定することで、「第43類」で指定できるサービスを包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くのサービスを指定した場合、特許庁における審査において、それらのサービスについて商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しないサービスは削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的なサービスを指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的なサービスを指定するには、類似商品・役務審査基準の「第43類」において、包括概念に含まれる具体的なサービスとして挙げられているサービスを参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第43類」は、飲食物の提供及び宿泊施設の提供に関する区分
・「第43類」に属するサービスを包括概念表示で指定するなら、上述の「第43類」に属する代表的なサービス(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しないサービスは削除する、又は、包括概念に含まれる具体的なサービスを指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的なサービスを指定するには、類似商品・役務審査基準の「第43類」において包括概念に含まれる具体的なサービスとして挙げられているサービスを参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
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