商標活用事例12(登録商標とアピールして普通名称化防止)

登録商標とアピールして普通名称化防止

この商標活用事例は、特許庁発行「事例から学ぶ商標活用ガイド」に掲載されている事例を紹介するもので、それを編集・加工等しております。
詳しくは、「事例から学ぶ商標活用ガイド」(特許庁)の中の「商標制度活用事例12」をご参照ください。

ヒット商品の商標が登録商標であることをアピールして、普通名称化を防止

大関株式会社が、酒銘として「大関」の商標を使用し始めたのは、1884年。この年にすぐに商標出願。大相撲の人気が上昇中だったこともあり、知名度アップ。その後、デザインを一新したマークが大関の代表的なマークになり、現在に至る。

また、日本酒の新しい飲み方を提案した商品「ワンカップ大関」は、カップ入りの日本酒として最初に売り出されたヒット商品であり、その認知度は非常に高いが、認知度の高さゆえ、他社の類似商品まで総称して「ワンカップ」と呼ばれてしまうことも

大切なブランドが商品の普通名称(誰もが一般に使用する商品名)になってしまわないよう、商品パッケージや広告において、「『ワンカップ』は、大関株式会社の登録商標です。」という文言やRを付記するなどして、「ワンカップ」が自社の登録商標であることをアピール

また、雑誌等で普通名称的に使用された場合は出版社に連絡するなど、登録商標の普通名称化を防ぐ努力を続けている。

・ヒット商品になり、認知度が高まると、自己のブランドを守るため、普通名称化防止対策が必要
・普通名称化防止のため、登録商標であることをアピールし、各種書籍にも目を光らせる

商標権に基づくライセンスによるブランディング

広く知られた「ワンカップ」や「大関」ブランドは、他社からの商標ライセンスの依頼も多くあり、例えば、「ワンカップ大関」を模したワンカップろうそくなどの商品があり、その場合はライセンス契約を結ぶことで、良好な関係のもと、相互のブランドと販売拡大に繋がっている。

模倣品への対処

全国的に親しまれた商品だからこそ、模倣品が出ることもありますが、いきなり訴訟には及ばず先方に商標権を侵害している旨を連絡するなど丁寧な対応をしており、近年はほぼ解決に至っている。今後も、模倣品に対しては、日々の調査を行ないながら、柔らかくもしっかりと対処し、大関のブランドを守っていく

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
趣味は、ランニング。
詳しい経歴などはこちら

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