商標登録の区分「第30類」の概要と商品指定方法

商標登録の区分「第30類」の概要と商品指定方法

ここでは、商標登録の区分「第30類」の概要と商品指定方法について説明します。

なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。

商標登録の区分「第30類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要

商標登録の区分「第30類」は、加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料に関する区分です。

具体的には、以下の商品に関する区分です。

コーヒー、茶、ココア及びそれらの代用品;
米、パスタ及びめん類;
タピオカ及びサゴ;
穀粉及び穀物からなる加工品;
パン、ペストリー及びコンフェクショナリー;
チョコレート;
アイスクリーム、シャーベット及びその他の氷菓;
砂糖、はちみつ、糖みつ;
酵母、ベーキングパウダー;
食塩、調味料、香辛料、保存加工したハーブ;
食酢、ソース及びその他の調味料;
氷(凍結水).

この第30類には、特に、以下の商品を含むとされています。

コーヒー飲料、ココア飲料、チョコレート飲料又は茶飲料;
食用のために加工した穀物、例えば、オートフレーク、コーンチップス菓子、脱穀済みの大麦、ブルグア(ひき割り小麦)、加工された穀物・ナッツ及び乾燥果実を主原料とする穀物の加工品;
ピザ、パイ、サンドイッチ;
チョコレートで覆われたナッツ菓子;
食品用又は飲料用香味料(精油のみから成るものを除く。).

この第30類には、特に、以下の商品を含まないとされています。

工業用塩類(第1類);
精油のみから成る食品用又は飲料用香料(第3類);
医療用茶及び食餌療法用食品・飲料・薬剤(第5類);
乳児用食品(第5類);
サプリメント(第5類);
医薬用酵母(第5類)、飼料用酵母(第31類);
コーヒー、ココア、チョコレート又は紅茶風味の乳飲料(第29類);
スープ、スープのもととしてのブイヨン(第29類);
未加工穀物(第31類);
生鮮のハーブ(第31類);
飼料(第31類).

ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第30類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。

商標登録の区分「第30類」に含まれる「商品/サービス」の指定

区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。

具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。

そして、「第30類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。

アイスクリーム用凝固剤,ホイップクリーム用安定剤,料理用食肉軟化剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,氷,菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆(生のもの),穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類

つまり、商標登録の区分として「第30類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第30類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。

ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。

そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。

なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第30類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。

また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。

また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。

・商標登録の区分「第30類」は、加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料に関する区分
・「第30類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第30類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第30類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする

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著者プロフィール

ベテラン弁理士山本

弁理士(特定侵害訴訟代理認定)
登録番号11267(1998年登録)
難関国家資格の弁理士に合格率3%時代に合格して【弁理士キャリア25年】
20代前半に弁理士事務所に入って【実務経験28年】(商標・意匠・特許の出願・登録手続き、外国での手続き等)。
この間、有名大企業(例えば富士通株式会社)の代理人弁理士、「日本知的財産仲裁センター」の「調停人・仲裁人・判定人候補者」を務めるなど、経験・実績ともに豊富で、難易度の高い案件にも対応可能なトップレベルの専門家です。
学歴は、早稲田大学大学院修了
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