商標登録の区分「第12類」の概要と商品指定方法
ここでは、商標登録の区分「第12類」の概要と商品指定方法について説明します。
なお、商標登録に必要な「区分」、「商品/サービス」の全体的な説明は、以下のリンクの記事をご参照ください。
商標登録の区分「第12類」及びこれに含まれる「商品/サービス」の概要
商標登録の区分「第12類」は、乗物その他移動用の装置に関する区分です。
具体的には、以下の商品に関する区分です。
乗物;
陸上、空中又は水上の移動用の装置.
この第12類には、特に、以下の商品を含むとされています。
陸上の乗物用の原動機;
陸上の乗物用の継手及び伝導装置の構成部品;
エアクッション艇;
遠隔操作式乗物(おもちゃを除く。);
乗物の部品、例えば、バンパー、風防ガラス、ステアリングホイール;
乗物用無限軌道、及びすべての乗物用タイヤ.
この第12類には、特に、以下の商品を含まないとされています。
鉄道用金属材料(第6類);
原動機、継手及び伝導装置の構成部品(陸上の乗物用のものを除く。)(第7類);
すべての種類の原動機の部品、例えば、原動機用のスターター、消音器及びシリンダー;
土木機械用、鉱山機械用、農業機械用、及びその他の過酷な使用に耐える機械用のゴムクローラ(第7類);
幼児用三輪車(おもちゃ)及び子供用片足スクーター(おもちゃ)(第28類);
輸送用でない特殊な乗物又は車輪付き装置、例えば、道路清掃用機械(自走式のもの)(第7類)、消防車(第9類)、ティーワゴン(第20類);
乗物の特定の部品、例えば、乗物用蓄電池、乗物用走行距離記録計及び乗物用ラジオ受信機(第9類)、自動車用及び自転車用ライト(第11類)、自動車用カーペット(第27類).
ただし、上述に示されている商品は、あくまでも区分「第12類」の概要を示すものであって、そのまま「商品/サービス」として指定して出願することは、内容及び範囲が明確とは言えず、適切ではないとされていますので、ご注意ください。
商標登録の区分「第12類」に含まれる「商品/サービス」の指定
区分に含まれる「商品/サービス」は、具体的かつ明確に表示することが必要とされています。
具体的には、類似商品・役務審査基準に記載されている商品・役務の表示(「類別表」を除く。)を参考に記載することとされています。
そして、「第12類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)として、以下の商品が挙げられています。
牽引車,荷役用索道,陸上の乗物用の動力機械器具(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,落下傘,乗物用盗難警報器,車椅子,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴム貼り付け片,乳母車
つまり、商標登録の区分として「第12類」を指定する場合、これらの商品を指定することで、「第12類」で指定できる商品を包括的にカバーできることになります。
ただし、広い範囲で多くの商品を指定した場合、特許庁における審査において、それらの商品について商標の使用又は使用の予定があることの証明を求める通知が出され、証明書を提出するなどの対応が必要になる場合があります。また、拒絶理由通知が出やすくなったり、第三者に異議を申し立てられたり、取消審判を請求されたりする可能性も高くなります。
そこで、これらの対応が必要になるのを防ぎ、これらの対応にかかる労力やコストを抑えるために、使用しない商品は削除する、あるいは、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい場合があります。
なお、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第12類」において、包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にすることとされています。
また、類似商品・役務審査基準の見方がわからない場合には、類似商品・役務審査基準の「凡例」をご覧ください。
また、「商品/サービス」の記載方法は、特許庁が提供している「指定商品・指定役務の記載方法」をご覧ください。
・商標登録の区分「第12類」は、乗物その他移動用の装置に関する区分
・「第12類」に属する商品を包括概念表示で指定するなら、上述の「第12類」に属する代表的な商品(包括概念表示したもの)を指定
・包括概念表示で指定すると、拒絶対応等の各種対応が必要になるため、これを考慮して、使用しない商品は削除する、又は、包括概念に含まれる具体的な商品を指定するなどのカスタマイズを行なうことが好ましい
・包括概念に含まれる具体的な商品を指定するには、類似商品・役務審査基準の「第12類」において包括概念に含まれる具体的な商品として挙げられている商品を参考にする
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